Forumフォーラム

テルモ株式会社ホスピタルカンパニーでは、注射器や体温計に代表される医療機器や輸液やプレフィルドシリンジなどの医薬品といった、主に医療機関向け製品の開発、製造、販売を行っており、加えて近年では製薬企業向けのCDMOといったB2Bビジネスにも力を注いでいる。特にCDMOビジネスにおいては、医療機器と医薬品という二つの要素を併せ持つコンビネーションプロダクトの開発となり、社内の複数部署や場合によっては社外との連携が必要になることもある。さらにB2Bビジネスでは、自社で販売する製品と比べて納期の順守がよりシビアである。このように開発の難易度が増していく中、我々は2017年よりプロジェクトマネジメント手法を活用した開発推進に取り組んできた。本講演では、テルモホスピタルカンパニーにおけるプロジェクトマネジメント導入の背景や導入により見えてきた課題、導入後の成果について、実際の事例を交えて紹介する。

武田薬品は今年で創業240年を迎える日本発の研究開発型製薬企業です。近年は複数の企業統合を経てグローバルでのビジネス展開を加速するとともに、2016年からはR&Dの様々な領域でexternal collaboration & partnershipの拡充をportfolioの柱として推進してきました。
臨床開発においてはCROとの協業も重要なPartnership戦略の一つであり、フルサービスを基盤としてタイムライン加速化や高品質の成果物入手を実現するためのイノベーティブなプロセスを念頭にGlobal One Modelを構築しています。ビジネスとしての成功を見据えた場合には 1) 最適なプロセス・仕組みの構築、2) CRO-Sponsor間で「真のpartnershipとは何か」と言う認識を合わせること=マインドの醸成、の2つの要素が重要と考えられ、これらを中心とした近年の取り組みについて紹介いたします。

21世紀はVUCAワールドの時代、さらにDXとCORONAによりますます変化が加速する。そのような外部環境の中、企業においての価値創造の源になるR&D戦略はすべての産業界にとって過去に類を見ないほどの重要性を持つようになってきた。今年で創業106年を迎えるYOKOGAWAにおいても３回目の戦略的転換期を迎えており、マーケティングの力による企業改革を実施しており、R&D能力強化は必須である。YOKOGAWAでの事例を紹介しながら、企業改革の本質を問う。

医薬品業界においては他業界に先駆けてグローバルレベルでの本格的なプロジェクトマネジメントへの取組みが行われ、上位の戦略マネジメントであるポートフォリオマネジメントとともに多くの企業で実践され定着してきております。しかし、これまでのプロジェクトマネジメントは確立された技術プラットフォーム下で単剤の申請承認を目的としたビジネス環境で行われてきましたが、近年はモダリティの多様化、デジタルヘルスの出現、医療機器や診断薬との連携、併用療法による治療など、医薬品を開発する環境そのものが大きく変化してきており、以前より複雑化、不確実化した環境の中で新しい製品を世に出すことが求められています。 より複雑化、不確実化した環境において成果を創出していくには、製品開発をプロジェクトではなくプログラムとして捉え、製品ライフサイクルの観点から組織の枠を超えて柔軟に対応し価値最大化を目指すプログラムマネジメントの重要性が増してきています。
　プログラムマネジメントについての基本的な考え方とアプローチを解説するとともに、現在劇的な変化に直面している自動車業界で実践されているプログラムマネジメントの事例やハイテク業界における先進事例をご紹介し、具体的な実践イメージをお伝えしたいと思います。