Forumフォーラム

新型コロナウイルスワクチンの開発から学んだことは、危機的状況下での迅速な対応と、科学的研究の進展がいかに重要か、そして結局は「ひとりひとりの行動」がブレークスルーを生み出すということです。
医薬品・ワクチンの開発は通常10年近くかかるプロセスですが、新型コロナウイルスワクチンは1年未満で開発され、米国の緊急使用許可をはじめ、日本においても特例承認として異例の速さで認可されました。これは、世界中の科学者や臨床試験への参加者などの貢献のもと、1日でも早く世界中の人々に価値ある治療薬・ワクチンを届けるという企業目的達成のための日々の取り組みや企業文化の先に成しえたことだと思います。
新型コロナウイルスワクチンの開発は、mRNA + 脂質ナノ粒子（LNP）という新しい基盤技術や開発期間短縮の観点から感染症に対する予防ワクチンの可能性を広げましたが、一方でワクチンの公平な分配・安定供給も重要な課題として認識されるようになりました。
本セッションでは、日に日に感染が拡大し先が見えない中、大きなプレッシャーを抱えながらも成功を信じ奮闘した2020年当時のワクチン開発を改めて振り返り、次なるパンデミックに備えて製薬企業に求められることについて考えます。

過去より、抗生物質の約70%が土壌から単離された放線菌により発見されてきた。近年は創薬資源となりうる新たな天然化合物が枯渇しつつあると言われているが本当だろうか。
創薬に利活用できている微生物は自然界に存在する微生物の1％以下であり、残り99％は難培養である。これらを培養できれば、創薬だけではなく全産業への影響は計り知れない。我々は電子部品の製造技術を応用して独自の培養デバイスを開発し、培養が難しかった新種微生物を獲得した。さらにその二次代謝物から新規抗菌活性物質を発見した。
当日はこの報告以外にも時間が許せば他事例についても報告する。ムラタは環境に優しく枯渇リスクも少ない微生物を重要資源と捉え、これまでより広い分野においてイノベーションに貢献したいと思っている。
当日は様々な業界の皆様とネットワーキングできれば幸いである。

日立造船はごみ焼却発電施設を主力とする環境・インフラ企業ですが、民間初の造船事業として1881年にE. H. ハンターが大阪鉄工所を創立して以来、様々なチャレンジを重ねて社会課題に取り組んできました。
創業144年目を迎える今年は新社名であるカナデビア株式会社として再起動します。今後さらに100年先に社会から必要とされる企業を目指した取り組みについてIT/デジタルの視点でご紹介します。

2019年以来、5年ぶりとなるPM（プロジェクトマネジメント）成熟度、組織風土に関するベンチマーク調査を実施いたしました。
本調査はライフサイエンスに携わる企業の皆様を対象としたベンチマーク調査であり、今回で5回目の調査となります。
2019年の調査は業界全体で過去最も高い結果を示し、分析を通じて、プロジェクトマネジメント制を深く浸透させる要因仮説をいくつか提示することが出来ました。本年の調査においても、過去からの推移が一つのポイントであると同時に、PMBOKの刷新に示されるプロジェクトマネジメントそのものの抜本的な変化に対し、各社がどのように取り組んでいるかについても明らかにしようとしています。当日は調査結果についてお示しすることを通じ、今日的なプロジェクトマネジメントのあり方について、皆様とディスカッションをさせていただければと思います。